宝の持ち腐れでもったいないのでこれを活用していくよ!
たまには動かしてあげなければもったいないぞ!ということでこれを活用してみます。
3Dプリンタだけが趣味ではないので、普通の人が3Dプリンタを購入するとどんな感じになるのか、と言う体験談です。
今回作ったもの!

こんな感じのおままごと用の包丁です。
最近1歳の娘がおままごとセットで野菜や果物をカットするのにハマっています。
おもちゃの包丁を使っていたのですが、残念ながら壊してしまって新しいものを買うことを検討していました。
これくらいなら3Dプリンタで作れるかも?と今回思い立ち作ってみました!
記事の最後にモデルデータを配布していますので、ぜひ最後まで読んでいただけると幸いです!
持っているのはEnder-3D
私が持っているのはEnder-3Dというモデルで、2020年くらいに格安でありながらちゃんと使えると界隈で話題になっていたものです。
3Dプリンターで何か作りたいという欲があった私はまんまと当時に購入しました。

我が家には3dプリンターがあります。置き場がなく、冷蔵庫の上に鎮座しております。
そんなに頻繁に触るわけではないので、普段は置物として埃をかぶってしまっています。
変な置き場ですが、邪魔にならずそのまま使えるので我ながらいい場所を見つけたと思っています。
3Dプリンターでおもちゃを作るメリットはある?
もしかしたら、3Dプリンタで子どものおもちゃを作るといいのでは?と検索してここに辿り着いた方がいるでしょう。
そんな方のために、3Dプリンタを使って子どものおもちゃを作ることにどれくらい価値があるのかについて語ってみたいと思います。
3Dプリンタは気軽に手を出すと後悔するかも?
正直なところ3Dプリンターは「めんどくさいことが多すぎる」道具です。
デメリットもたくさんあります。
まずは悪いところを挙げてみましょう。
- セットアップが大変(特に組み立て型のもの)
- モデリングや材料、3Dプリンタの知識など学ばなければいけないことがたくさん
- とにかく時間がかかる
- 大きすぎて置き場がない
- 動作音がめちゃくちゃうるさい
- よく失敗する
- 100円ショップで同じものが安く手に入ったりする
- できたものの精度が低くて気になる。
反対に良い点を挙げてみます。
- プラスチック製品が自分で作れる喜び
- 痒い所に手が届く自分だけのものが作れる
- 子どもにものづくりの魂を伝達できる(かも?)
- 素材は安いのでコスパ的には100円ショップに勝る
- いいものができれば売ることができるかも?
結論から言うと、
めんどくさいことが多すぎる。 しかし、3Dプリンタがあることでしか得られない経験や体験もある
といったところでしょうか。
ではそれぞれの項目について解説していきます!
とにかくめんどくさいぞ!3Dプリンター
とにかくめんどくさいです。気軽に手を出すとを語っていきましょう。
組み立てが大変
まず3Dプリンタ自体が組み立てが必要なものと、そうでないものに分かれます。
当然組み立て済みのものの方がすぐに使えるために優れていますが、価格は組み立てが必要なタイプの方が安いです。
私が持っているのは組み立てが必要なもの。
マニュアル通りに進めるものの、やり方があっているのか、間違っているのか、本当に組み立てた後に動作するのか不安になりながら組み立てました。
組み立ててちゃんと動いた後も
「これちゃんと組み立てられてなくて歪んだりしているんじゃないか?」とずっと不安なままでした。
よくわからない人は組み立て済みの製品の購入をお勧めします!
設定が大変
ハードウェアが組み上がり動作したら、今度はソフトウェアの設定が必要になります。
モデルを作るソフト、3Dプリンタ用のデータに変換するソフト(スライサーソフト)が必要です。
特にスライサーソフトがよくわからない・・・。何を使えばいいのか?どういう設定にするのか。
そもそもモデルデータのまんまで3Dプリンタ出力はできないのです。
そういったものをyoutubeやwebサイトで調べたりするのが必要なのです。
印刷前には印刷する台の高さを適切にする調整も必要です。
使わない時にデカくて邪魔、使っている時はうるさい
3Dプリンターは大きいです。
小さいサイズのプリンターもあるのですが、小さいものは小さいサイズのものしか出力できません。
おもちゃを作るための3Dプリンタとなればより大きいものが出力できるのが望ましいです。
そうなるともうでかいです。
電子レンジ2個を縦に積んだくらいのサイズです。

こんな感じ。
私はちょっとした興味で買ったので、毎日使うわけでもなく、非常に邪魔です。
さらに動作音もうるさい。
データの出力時間は非常に長い時間がかかります。2時間や3時間は普通にかかってきます。
その時間の間ウイーンウイーンとなり続けます。
長い時間のため、就寝中に動かしたいところですがワンルームなど狭いへやではかなりきついです。
幸い今は部屋が何部屋かあり、寝室と設置場所が離れているため、夜でも動作させることができます。
3Dプリンタを活用するには実質的にそれなりに広い家が必要ということですね。
よく失敗する
3Dプリンターというものは見えないコツのようなものがたくさんあります。
最近ではなんとなく成功率が上がっているような気がしますが、導入当時は本当によく失敗しました。
失敗したまま動作を続けた姿はなんというか悲惨で物悲しさがあります。
3~4時間動作させた上で失敗した日には発狂ものでしょう。
3Dプリンターと向き合うには強い忍耐力とアンガーマネジメントが求めらます。
世の中に溢れるその辺に溢れてるものの方が全然すごい
一生懸命何か作ってみても、その製品100円ショップで売ってます!
ということがよくあります。
出力に何時間もかけたのに、あんなに頑張ってモデリングしたのに、たったの110円で売っているんです。
さらに、3Dプリンタは積層跡という独特の模様があります。
それと比べると普通に売っているものの綺麗なこと・・・。
3Dプリンターによっては製品レベルのものが作れるようですが、安い3dプリンターではそこまで精度の高いものは作れません。
3Dプリンターを使っていると、今身の回りにあるものの凄さが実感できます。
ペットボトル&ペットボトルの蓋なんて絶対作れやしません。凄すぎるんです。
以上が3Dプリンターの悪いところでした。
それでは反対にいいところも挙げてみましょう。
3Dプリンターを使うと得られるもの3選
じゃあ3Dプリンタを使わない方がいいじゃないかと思われるかも知れません。
ちゃんといい点もあります!
プラスチック製品を自分で作れる
私が3Dプリンタを使う理由です。
私は大学の頃、2006年ぐらいに「プロダクトデザイン」を学んでいました。
プロダクトデザインとは道具や物のデザインを行うことです。現在その仕事をしてはいないのですが、ものを作り生み出すことに非常に興味がありました。
当時は3Dプリンターのようなものはおそらくあったと思うのですが、個人で購入できる時代ではありません。
その時の私は非常に無力さ、非力さを感じていました。
せっかくデザインしても自力でプラスチックの製品を作ることができない。
大きな工場で金型を使って成型をすることでしかプラスチックを作ることはできなかったのです。
当時はそんなことは思わなかったのですが、おそらくそこでその道をやめ、自分でのものづくりが完結できる「WEBデザイナー」の道へ切り替えて進んできました。
しかし、今は自分で考えたものを3Dプリンターでちゃんと形にできる!これはすごいことではないでしょうか。
自分で考えた形がプリントできるというのは唯一無二の体験です。
3Dプリンターを購入しなければ体験することはできません。
世の中に溢れるものをわざわざ再度作り出すことにあまり意味はないかも知れませんが「なんでこれがないんだろ」と頭に浮かんだときは3Dプリンターの出番です。
それをちゃんと形にすることができます。
自分が作って過去良かったものの代表として、風呂場の排水溝の受け皿があります。
風呂場の排水溝に台所の排水溝用のネットを使うとすぐに詰まってしまいます。
これを改善するためにある程度ゴミが溜まっても水が流れる深い受け皿を出力して使っていました。
これによりちょっとだけ生活がよくなり、喜びを感じたことを記憶しています。
(今は同様の製品が販売しているかも知れません)
そんなちょっとした感動のために3Dプリンタを活用しています。
子どもにものづくりの魂を伝達できる
なんでも便利になったこの世の中、ちょっとお金を出せばなんでも手に入れることができます。
そんな中あえて手間をかけたり、不便さを楽しむ気風が高まっています。
例えばキャンプやDIY、家庭菜園なんかもその一つでしょう。
3Dプリンタのものづくりは今はあまり一般には普及してはいませんが、次世代のそういったものの一つに数えられるのではないか、と可能性を感じています。
AI時代を生き抜くために、便利すぎる世の中でものづくりをする精神を養うためにわざわざ3Dプリンタを活用するのはいい選択肢に感じます。
いいものが作れればそれを売れるかも?
前述の通り、3Dプリンタで作れるのに向いているようなものはすでに世の中に安価にデア回っています。
さらに、そういった製品と見比べると品質で見劣りしてしまいます。
そんな縛りはありますが、人々の役に立ち、独自性のあるニッチなものであれば作ったものを生産し得ることができるかも知れません。
そんな可能性が3Dプリンターにはあります。
3Dプリンタでおもちゃの包丁を作る!
繰り返しになりますが、1歳の娘がおままごとセットで果物や野菜を切るのにハマっているのですが、おもちゃの包丁を酷使しすぎて壊してしまいました。
新しいものを作ってもいいのですが、作ってみました。
最初に言っておきますが、別に初心者講座ではありません。
3Dデータを作る知識は薄いのでイラストレーターを使ったりして、ノリと雰囲気で作っています。
包丁のデータが配布されていればそれを印刷するだけで良いのですが、探してみたところ見当たらなかったためデータ作成から行なっています。
流れ
- Adobe Illustratorで包丁の形を作る
- データを読み込みTinker CADで包丁のデータを整形
- スライサーでスライスする
- 印刷
Adobe Illustratorで包丁の形を作る

3DのモデリングはTinkerCADというソフトを使っています。
このソフトは無料で基本的なことはできるのですが、長方形や球を組み合わせてしか形が作れません。
なので複雑な図形である包丁形をデータをイラストレータで作成します。
IllustratorはAdobeとの有料契約が必要なのでご注意ください。
SVGが作れるツールなら何を使ってもいいです。パワーポイントでもおそらくできるはず。
https://note.com/shin5to4/n/n9127c1061cd5
ペンツールでパスを作ってSVGで書き出します。
SVGにすることでTinkerCADで読みこむことできます。
Tinker CADで包丁のデータを整形
ここでTinkerCADを使います。
https://www.tinkercad.com/
このツールは非商用であれば、無料で利用することができます。
こんな感じで作成しました。
イラストレーターで作ったデータに厚みをつけて、取手をつけました。
作ったSTLデータを配布します
スライサーでスライス!
UltiMaker Curaというソフトを使っています。

こんな感じで設定しています。
スライスしてデータを出力!
3Dプリンターで印刷
sdカードにデータを移して3Dプリンタで印刷します。

こんな感じでウイーンウイーン言いながら印刷します。
完成!

完成しました!
子供向けのデータなので本当はエッジを丸くしたり細かい加工をしたいのですが、TinkerCADではそれが難しい・・・。
他のソフトに切り替えてCADを学んでちゃんと作ることにもチャレンジしたいと思います。
以上、3Dプリンタで包丁のおもちゃを作る、という記事でした!
